高知県における相続問題の大きな特徴を3点ほど挙げさせていただきます。
①相続人に県外在住の方がいる。
②相続人に認知症の方がいる。
③山などの資産になりにくい財産がある。
高知県における相続問題を解決するにあたり、最も大きな課題となるのが、相続人に県外在住の方がおり、話し合いがしにくいという点があります。
四国内など、わりと近隣であればまだよいですが、関東圏、九州圏、北海道など、相続人の方々が仕事などの事情で高知県外にいらっしゃる場合、一堂に会して話し合うことがそもそも難しいということがあります。
特に、県外在住の相続人の方とほとんど連絡を取り合っていないということも多くあります。
このような場合、話し合いを進めること自体困難なケースがあります。
また、普段から連絡を取っていない場合は、信頼関係が築かれていないケースも多く、あまりに淡々と進めようとすると不信感を持たれて感情的になってしまうというケースもあります。
さらに、県外在住の方が多い場合は、そもそも戸籍の収集などの必要書類を集めることも大きな労力となるケースがあります。
相続人の方の中に認知症の方がいる場合の最も大きな問題は、その方が有効な意思表示ができない可能性があることです。
遺産分割協議は、相続人の方の全てで行う必要があります。
なので、その相続人の方が認知症で、判断能力がなければ遺産分割協議が進められないということが起こりえます。
そこで、まず確認すべきはその方の判断能力の程度です。
たとえば、特別養護老人ホームに入所されている場合などは、判断能力に問題があるケースが多いと言えます。
この場合、下記に記載している解決策を検討すべきことになります。
次に、施設等に入所していない方などの場合には判断能力の確認が必要です。
判断能力のテストとしてよく用いられるのが長谷川式テストです。
相続人に認知症の方がいらっしゃる場合は、長谷川式テストを行ったうえで、判断能力を確認して遺産分割協議は進めるべきです。
もし、相続人の中に判断能力のない方がいらっしゃる場合は、成年後見制度の活用を検討すべきです。
成年後見制度は、家庭裁判所に申立てを行い、成年後見人が家庭裁判所から選任されれば、成年後見人が認知症の方の代理人として遺産分割協議を進めることが可能となります。
なお、判断能力が完全にない場合ではないが、判断能力に疑義が残るというケースもあります。
その場合、保佐人、補助人という制度もあります。
また、遺産分割調停を行うにあたり、特別代理人という制度で、判断能力のない方の代理人を立てる制度もあります。
なお、こちらの制度は、家庭裁判所が認めた場合になりますので、ある程度限定的な制度にはなります。
相続財産の中には、売るのが難しかったり維持に費用がかかるものがあります。
世間一般では、負動産とも呼ばれます。
例えば、遠方の山林や建て替えできない古い家などがこれに該当します。
これらは相続したとしても資産になりにくく、むしろ負債となります。
高知県においては、資産になりにくい負動産が含まれる相続問題が多々あります。
負動産の解決として最もシンプルなのは、相続人の全員で共有にしておくことです。
ただ、これは一時しのぎに過ぎず、管理費などを全員で負担し続けなくてはならないという問題があります。
根本解決は単独相続にし、その方が売却してしまうことです。
ただ、そもそも売れにくい不動産ですので、売れるかの見通しも不明です。
なお、自治体への寄付は受け入れてくれるところが少ないというのが実感です。
このように負動産の問題は遺産分割協議を遅延させる大きな原因になりえます。
円滑に進めるためにも、負動産以外の財産を多く取得するなどで解決しておくことなどを検討して進めるべきとなります。
高知県における相続問題は、以上のように当事者間では解決が困難なケースが存在します。
そのような場合は、当事務所にご相談ください。
相続人の方が県外にいらっしゃる場合も弁護士が介入することにより、円滑に進むこともあります。
また、調停による法的手続きも解決も可能です。
その他、判断能力に問題のある方や負動産の問題も専門家である弁護士が介入することでスムーズに解決できることもあります。
相続に関する問題は当事務所までご相談ください。